第115話「実需」

著者
m.yoshida
2008/05/12
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最近つくづく思うのはお客さんの「物件が欲しい」「必要だ」という情熱が強ければ強いほど、良い物件が出てくる確率が高いし、契約にいたることが多いということを実感しています。お客さんの要望が強ければ、必然的に担当者のモチベーションも上がり、より多くの先にコンタクトをとることになるでしょうから、当たり前といえば当たり前かもしれません。ですが、それだけの理由では片付けられないような気がします。

数年前、某音楽家のご自宅を探すことになりました。お子様をNという学校通わせるため、できるだけその近くでできれば一軒家というオーダーでした。当時セレブの間では有名なNという学校の存在さえ知らなかった私は、「なんとかなるだろう」と高をくくっていたのですが、情報を集めていくうちに分かったのが、同様の目的でNの近傍を探している人が多いので、難易度がかなり高いのではというのが大方の見解でした。

そのエリアに強い業者、高級系に強い業者に問い合わせをすればするほど、ネガティブな返答が返ってくるばかりで、最後の手段でNの周りをぐるぐる回りながら、どうしよう・・・と思って歩いていたときに、懇意にしている業者から「物件Faxしましたよー」の電話が、がっかりするのがイヤなので、期待しないで会社に帰りFaxを見てみると 30SECOND(外人仕様の図面だったので)の文字が目に入ってきました。ん・・・SECONDって30分?じゃなくて30秒だー!って大喜びした記憶があります。

しかもその物件はあきらめていた一軒家でもありました。ちょっと古かったのが玉に瑕でしたが、未だに怖いお客さんベスト3に入るその音楽家の方からその日のうちに「この物件で決めます」と明るいお返事をもらうことができました。

最近、その音楽家の事務所を探すオーダーをいただきました。今回も結構ネックのあるオーダーだったのですが、なぜかまた針に糸を通すような(ちょっと言いすぎか 笑)物件がでてきました。その方に睨まれていると思って自分の頭と体がいつも以上に動いたのか、その方の神通力か分かりませんが、なぜか今回もうまくいきそうです。

賃貸でも、売買でも本当に物件がほしいお客さんの物件を仲介させてもらう仕事が自分には合っているようです。これからしばらくは、業者間の取引が減り、物件の価格も落ち着き「実需」と呼ばれる取引が増えてくることと思われます。本当に物件がほしい方、わがままで不器用な不動産屋にお仕事のご依頼をお待ちしております(笑)

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