第137話「不動産の持ち方」

著者
m.yoshida
2010/03/10
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1990年から92年ぐらいにバブルが崩壊してから18年周期?と考えると今回のバブルの崩壊はちょうど時期があてはまる感じになる。前回も今回も不動産の価格が急騰する理由は、不動産業者が買取して、転売する形が頻繁に行われることによるものだ。前回のときは金融機関が不動産業者に過剰に融資をするというシンプルな形だったが、今回は若干形を変え「リート」(不動産の証券化)が主役になった。

でも、このリートは個人などの一般投資家から集めたお金だけで運営されていたわけではなく、バックには前回同様、大規模な金融機関の姿が見え隠れしている。リートが所有している不動産が厄介で、今までどおりに法務局に行って謄本(証明書)を取得すると、信託物件との表示がでて、真の所有者が簡単に分からない。これってどうなのだろうか?確かに所有者が明確だからといって、すべてが解決するわけではないが、どうも所有者が不明瞭というのはその時点で違和感を覚える。

今回のリートバブルの際、あまり英語が得意でないはず?の不動産業者が、アセットマネジメント(注1)、プロパティマジメント(注2)という用語を頻繁に使うようになった。この業務をあえて分けて存在させること自体が自分にはよく分からない。両方あわせもって、初めて不動産屋なのではないか? 意味も考えずただアメリカ的な金融カブレになり、結果、責任の所在を曖昧にしていただけの気がする。

確かに、規模が大きい不動産を一個人、一法人で所有、維持するというのは難しいのことなのかもしれない。しかし、現在のバランスシートをキレイに見せる目的だけのために、分散化をしてしまうのはいかがなものかと思う。多数の投資家で所有するのであれば、少なくとも不動産も株のように、誰がどれだけ所有していて、どのように運営しているかということをもっと分かりやすくディスクローズする義務があると思う。船頭はできれば一人のほうがいい。区分所有も含め、不動産の持ち方を考えなければならない。

(注1) 不動産に投資する場合に、投資家に対して当該不動産の投資効率、リスク、物件の長所・短所市場予測等を提示する業務
(注2) 賃貸管理に留まらず、管理業務の企画・立案から実施、更には予算作成など収益管理まで踏み込んで不動産の資産価値の増加を図ろうとするもの
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