第110話「2007年不動産事情」
皆様(自分にも 笑)お疲れ様です。毎年毎年恐ろしく世の中の流れが早くなっている感のある昨今ですがいかがお過ごしですか。不動産業界的には今年は潮目の年だったといっても過言ではないような気がします。つり革広告にもチラホラ「不動産の下落」なんていうタイトルが、見え始めてきましたが、現在、転売目的で不動産を所有している不動産業者の緊張感はカナリ高まっているのではないでしょうか?
表向きには発表されていませんが、かなり上昇した一部都心の地価抑制のため、今年の春ごろに「総量規制」(不動産業者向け融資の抑制)のようなものがあったという認識が、業界人の常識です。実際、渋谷区、港区の地価はその頃がピークだったのではないでしょうか。
ご存知のとおり、地価と平行して賃料もかなり上昇しました。表参道ヒルズの1F店舗が坪当たり14万で驚いていたのがそれほど前に感じないのですが、あっという間に@20万以上と言う事例がでてきてしまいました。銀座や新宿と比較して単価が決まるのではなく、NYの5th avenueと比較して決まっているなんて話もあるくらいです。
事務所も渋谷区、港区エリアの大型(ワンフロア100坪以上)物件についてはかなりの品薄状態が続いています。ミッドタウンの坪当たり6万円という店舗のような単価にひきつけられるように、他の物件も上昇が続いています。
でも、中小オフィス、立地の悪い店舗は渋谷区といえども苦戦(ほとんど賃料の上昇はみられない)しています。弊社近傍のコンビニ、スーパー跡がなかなか決まらず何になるのかと思っていたら、両方とも毛色の違うダンススクールになりました。物販・飲食ともにオーバーストアの傾向の表れではないかと思っています。
売買にしても、賃貸にしても、収益還元法による所有者側の一方的な値付けで決まっていた感のある不動産相場ですが、来年は優良なエンドユーザー(買主・借主)が価格決定する機会が徐々に増えることを願っています。弊社も含め仲介業者も安易に業者間取引に傾注するのではなく、リアルなユーザに物件をお世話できるようになることを望みます。
皆さん今年もご愛顧ありがとうございました。
来年も引き続きよろしくお願い申し上げます。