第117話「兵どもが夢の跡」
今、表参道ヒルズの裏あたりを歩くとまさに「夏草や・・・」と言う表現がピッタリくるかもしれません。買い手がつかなかったり、地上げ途中だったりする不動産が、作られたばかりのコインパーキングや、ロックアウトされた(誰も使用していない)建物となってカナリの頻度で目に飛び込んできます。
不動産リートバブルにのって、表参道ヒルズの1Fの賃料が坪当たり@14万をつけ、それに無理やり便乗するかのごとく、裏の裏まで@7万!@8万!の値段を付けた結果、ごく普通の住宅地だった土地の売買価格までが坪当たり@2500万!@3000万!なんて恐ろしい値段を付けることになってしまいました。
兵(不動産屋?金融屋?)は恐ろしい。ほんの短期間でこれほどまでに値段をつり上げてしまうんですから。まさにここ数年表参道近辺は主戦場と化していたのではないでしょうか。それが、表向きではありませんでしたが金融庁の引き締めがあって、サブプライムローン問題があって、やっと戦が沈静化してきたのでしょう。もう少し正確に言うとまだ残党が残っていて後処理をしているといった状況でしょうか。
私がこの業界に入ったのが約18年前、そのときと多少形は違えども正にいまと似たような状況だったと思います。先住民はいなくなり、土地(不動産)は荒れ果て、経営者のマインドは萎えて・・・そしてまた18年後、多少形や場所を変えて同じような事が行われるのでしょうか?
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