第127話「不動産の底値」
100年に一度の大不況が騒がれる中、よく、「不動産の底値はいつ?」などという難しい質問を受けますが、簡単には答えることができません。その理由は、地域、物件の種別、価格帯等々で時間軸のズレが結構あるからです。株と異なって、不動産は同じものがありません。あくまでも近い条件の物件でしかも、取引の時期もズレます。株だったら取引が一日でもズレたらかなり金額が変わってしまっていますよね。
私の経験則では、週刊誌の見出し等で、「不動産今が買い時!」→この見出しがでてきたときは、もう遅い感じがします。「これから不良債権がドッと出てくる」→確かにまだ数、量は残ってはいるのですが、あまりよくない物件が残っている(良い物件はほとんど売却済み)という感じです。
洋服のバーゲンセールを想像してみてください。3日間開催するとして、良い物(誰でもほしがる定番もの)は早ければ数時間であっという間に売れてしまいますよね。残った商品を2日目、3日目と割引したものをさらに割引して売る。それでも売れ残ってしまう。この状況と似ていると思います。
逆に、不良債権をさばく側からすると、市況が停滞しているときに少しでも早く、多い金額を処理しなければなりません。ですから、必然的に誰でも興味を示すような優良物件から営業を始めます。いや、優良物件は営業しなくても、事前に購入希望者、またはそのエージェント(仲介業者)から打診があるくらいです。
不動産を底値で買うベストなタイミングがいつなのか?予測することはとても難しいです。しかし、「難アリ」の物件を購入する方を除いては、上記の理由から世間的に言われているより、相当早くそのタイミングがやってくるというのが私の感覚です。購入予定がおありの方、ターゲットを絞った早めのオーダーをお待ちしております。