先日、以前仲介した某音楽アーティストの著作権を管理する事務所にお伺いした。会社は残るが、事務所は実質的には閉めてしまうとのこと。音楽業界に長年携わってこられた社長が、「アーティスト自身はいいとして、その周りにいる人間が飯を食うのは難しくなった・・・」としみじみ語ってくれた。

レコードだけではない、本も以前のような形では売れない。音楽業界だけでなく、出版業界も同じ問題を抱えている。アパレル業界におけるネット販売もそうだろう・・・　ＩＴのおかげで費用も手間も掛からない。便利になったがその影響で、今まで必要だった仕事が加速度的に必要なくなってきている。

不動産業界もご多聞にもれず、影響を受けている。ネットを活用することによって、熱心なお客様は、業者よりも物件の情報にはるかに詳しい、という恥ずかしい状況も珍しくなくなった。昔は情報をいち早くお客様に届けた業者が仲介をする権利？があるような感じだったが、今や、情報はお客様からいただき、信頼のある？業者にその後の処理を依頼するという感じの形態が増えてきた。

「変化していくものだけが生き残っていく」誰の言葉か忘れたが、正にその通りだ。自分の芯を保ったまま変化していくのはたやすいことではない。でも、気力（やる気）さえあれば何とかできるような気がする。逆に今は自分をドンドン変化させることが楽しくなってきた。こんな状態にしてくれた、自分を支えてくれた人たちに感謝したい。