第180話「3代目」
祖父は大正の終わりごろ、山梨から大工職人としてこの地(代々木)に住居兼職場を構えた。腕がたったのか、口がたったのか(笑) 時代の波にも乗り、仕事を順調に拡大させていった。誰から聞いたか忘れたが、近所ではヒトラーと呼ばれていたらしい・・・(笑)周りの人からは相当強烈な印象があったのだろう。
父は無口な優しい人だった。祖父の言うことに背かず、マジメに仕事に専念していた。だが祖父の時代とは異なり、都内の小さな建築会社で一般顧客の家を建てるというスキームは成り立ちにくくなってきた。腕はあったらしいが、営業が得意な人ではなかったので、徐々に仕事は減り、祖父と一緒に守ってきた土地に賃貸物件を建て、ご多分に漏れず賃貸事業が主な仕事になってしまった。
三代目のアホ(私)は、特にやりたいこともなかったので、あまり芳しくない零細建築業を継ぐつもりで、建築士をめざし理科系の大学へと考えていたが、18歳の時に祖父が、19歳の時に父が亡くなり、技術系の人間になったら、父と同じような運命をたどるのでは?と直感がはたらき、文科系の大学から不動産の道へ進路を変更し現在に至る(笑)
祖父も父も私も人を育てる、一緒にやっていくということがどうも苦手らしい・・・ そんな血が濃く流れている。多分、ピンチになると人の助けを借りるというよりも、自分で変なアドレナリンを出してなんとか解決してきたのだろう・・・(笑)アドレナリンの部分は多少残すとして(笑)人と協力(人の力を借りて)して物事を解決していくということを、上手く成し遂げないと三代目は生き残れないと、直系のご先祖様に言われていると思う今日この頃、アホ三代目に係っていただいている皆様、努力いたしますので引き続きご愛顧の程よろしくお願いします(笑)
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