第21話「引退」

著者
m.yoshida
2000/07/10
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先日某TVのニュース番組で、アメリカの大統領と日本の元首相の引退について、対比的に取り上げていました。仕事柄トップの方(私の場合は 中小企業の社長さんが多いのですが)と接する機会が多いため、その方がいつ、どの ような状態で、誰にバトンタッチして、引退していくのか非常に興味があり、その特 集を吸い込まれるように見ていました。

アメリカの方は、ホワイトハウスを去る直前の一日という設定で、まだ元気いっぱい の大統領本人が自らビデオに出演して、閑散とした記者会見会場で演説し、悲哀に満 ちた大統領をパロディー風に演じるといった内容で、見ていてとても楽しいものでし た。一方の日本の元首相の方はというと、こちらはシビアで、高齢で入退院を繰り返 しているため、選挙にでるか否か結論が出ず、体調不良をかき消すために本人の肉声のテープを流し、党、選挙に関わる人たちが右往左往している姿が報じられている後 味の悪いものでした。

アメリカは余裕があって、日本は切羽つまってるのが好きな人種だから・・・だけでは片付けたくない傾向だと私は思うのですが。日本ではなぜ 70,80、へたすれば90歳を超えてまで、トップでいる人が多いのでしょうか? もちろん高齢の方でも十分な能力・体力がある方もいらっしゃるのでしょうが、そのような方はごく希だと思いますし、例えあったとしても余裕のあるうちに引退する人 が少ないのが日本の現状だと思います。

一般の方も、日本はトップに君臨している人たちが、お金・権力・名誉に固執してい るからダメなんだ・・・と他人事で片づけてしまうのではなく、何らかの形でトップ の人と関わっている訳ですから、あのひとは所得番付に出ているから、一部上場の社長だから、××大学を出ているから、という事ばかり評価してしまうのをやめること で、多少なりとも良い方向に向かうことに貢献できるのではないでしょうか?かく偉そうに言う私も「まずはお前ら不動産屋からだろー」と突っ込まれたら、いまのところ「おっしゃるとおりです」としか答えることができまっしぇん。

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