Ｋ社長にはじめてお会いしたのは、７、８年前で、まだ、私が第15話にでてくる、「お師匠様」のキツイ会社でペーペー社員として必死に飛び込み営業をしているときでした。

K社長の会社は、SPA（製造小売業）と呼ばれるアパレル会社です。多分７、８年前はSPAという言葉自体、まだ日の目を見ていなかったのではないかと思います。現在でこそ「猫も杓子も大手も路面店！路面店！」という感じの盛況ぶりですが、K社長はその当時から路面店を非常に重要視されていて、物件が出ると社長自ら、現地にすぐチェックしに行ってくれました。お蔭様で、キツイ会社で息詰まっていた私は、「なしのつぶて」and「まぐろ」状態の営業からやっと脱出することができました。

自分の探した情報で会社のトップ（K社長）がすぐ動いてくれる・・・それだけでとても嬉しく、K社長から細かくオーダーをお聞きして、がむしゃらにそのエリアを走り回っていた記憶があります。私（弊社）の貢献もあって！？（こんなことK社長に言ったら殺されるー）７、８年前は３０億前後だったK社長の会社の売上高は、右肩上がりで現在１００億をかるく超えていると思います。

そんな順風満帆なK社長ですが、いまだに私が封筒に物件を入れて持っていったりすると、中身だけ受け取って「これは返す」と言って封筒は必ず返されます。昔の苦労されたお話をお聞きしているせいもあるのでしょうが、その度ごとに「背筋をピン」としてもらっています。

アパレル会社は「１００億の壁」（１００億前後の売り上げに到達する会社は結構あるが、その売り上げを維持、２００、３００億と延ばす会社は非常に少ない）というジンクスがあるらしいのですが、K社長の会社には是非それを打ち破って欲しいと心から思っています。