第25話「タダより高いものはない?」
先日、なんと日経の1面にデカデカと、一般消費者にREINS(レインズ)を公開して、購入希望者が直接情報を見つけ、それによって契約した場合、その顧客から仲介手数料を徴収してはいけない方向で建設省が2001年にも宅建業法を改定するという記事が出ていました。
ネットを使って、自らの時間と能力と責任で、取引をしたい人の手数料をなくす選択肢を作ることはとても大事なことだと思うのですが、それ以上に「両手」(業界用語で売主買主双方から手数料をもらうこと)を売主買主に重要事項説明等でもっとはっきりと明示することを義務づけることがまず先になされるべきだと思います。
なぜ「両手」の明示が大事なのかというと、当然のことですが売主は少しでも高く物件を売りたいし、買主は少しでも安く物件を買いたい。裁判に例えると売主と買主は原告と被告のようなもので、「両手」というのは同一の弁護士さんが原告と被告双方から成功報酬をもらうようなものなのです。
今回の記事の状況を業者の立場から見ると、ネットで自分のところに直接アクセスしてきた買主と、取引をする場合、売主からのみ手数料を取るということです。もしも、あなたがその業者だったとして、まったく報酬をもらっていない買主と、キチット手数料いただいた売主のどちらの味方になりますか?
「親身になってくれた不動産業者なんて今まで一度もない!できれば1円も払いたくない!」というおっしゃる方いっぱいいらっしゃると思います。くどい話で分りにくかったかもしれませんが、上記の内容がキッチリお分かりの方で、なおかつマメな方は手数料を払わないで是非、不動産を購入していただきたいと思います。Try it!成就された方感想まってまーす。
REINS(レインズ)
建設省の外郭団体が運営する不動産仲介業者のデータベース。買主の依頼を受けた業者がオンラインで物件を検索できる仕組み。売主から専任媒介・専属専任媒介で売却依頼を受けた場合、情報データベースに登録しなければならないように義務づられている。登録物件は全国で60万件以上ある。