第39話「計画道路」

著者
m.yoshida
2002/01/22
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「計画道路」ってご存知ですか?小泉さんの行政改革の中でも頻繁に出てくる言葉なので、ほとんどの方は大体何の事かご存知ですよね。国民、県民、市民の生活を豊かにするため!??に計画された道路のことですが、ここ12、3年不動産屋として見てきた私の目にはどう見ても「良いもの」に写りません。私が関わってきた(見てきた)のは、世間で問題になっている地方の道路ではなく都内なのですが、やはり同様に不必要?なものは存在すると思います。

計画道路には「計画決定」と「事業決定」という分け方があります。「計画決定」というのは計画はしたけど施行はいつのことやら(一応、暫定の着手時期はあるようですが)・・・というかなり曖昧なもので、「事業決定」というのは2年以内に着手します・・・という意味に解釈する言葉だそうです。都内だと大体、昭和40年ぐらい(今から30年以上前)に計画された道路が多いのですが、未だに事業決定にすらなっていない道路はいっぱいあります。

さて、収用される人たち(道路計画に土地を提供する人たち)はどういう状況かというと、先祖代々受け継いできた土地をとられたくないという人と、土地を相場より高い金額で買ってもらい、かつ税金の優遇、補償もうけられるということで、心待ちにしている人、両者いらっしゃいますが、私が見てきた限りでは圧倒的に後者(心待ちにしている人)が多いようです。

右肩上がりの高度成長時代が終わり、お上の財政状態が悪化するのにともなって、必然的に計画道路は延期・先延ばしになります。収用される土地には計画決定されたときから、2階以上かつ、堅固な建物(鉄筋コンクリートの建物)を建ててはいけないという制限をつけられているため、収用を心待ちにしている人たちは計画が延びると、よりいっそう不満が鬱積していきます。

確かに、計画は長期、且つ大規模になればなるほどのは難しいものだと思います。しかし計画にズレが生じたとき、それを修正しようとする努力。計画に意味がない、不可能だと分かったときに、それを止める決断。これができない人に計画をする資格はないと思います。弊社も小規模ながら、将来的な計画立てる仕事をしていますが、「血の通った」「責任感のある」計画が立てられるよう勉強・努力を怠ってはならないと思っています。

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