第40話「お寿司屋と相棒と私 その1」

著者
m.yoshida
2002/02/12
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去年いっぱいで、9年間、給料日後の金曜日は必ず行ったおすし屋さんが閉店してしまいました。私にとってそのお店は(多分、相棒もそうだと思うのですが)ただの行きつけの飲食店ではなく、親しい学校の先輩の家にお寿司を食べに行くというような感覚のお店でした。

その店の親父は、頻繁に甲子園に出場する高校でエースをやっていただけあって、年はとっても、体つき、顔つきともに申し分のない威圧感で、一見さんは恐る恐るお寿司を注文するといった光景が当たり前という感じでした。図々しい私たちでさえも、最初にお店に入ったときは、味が分からないくらい緊張した記憶があります。

毎月末の金曜日、2時間強の至福の時間は、まず、ビールを1杯いただいて、旬のお魚をおつまみでいただきながら、親父と、相棒と、私でキツイ話をしながら、徳利を林のように空にして、最後に少し握ってもらって、お味噌汁とお茶で閉めるというものでした。親父の外見に反して、お上品に握られたお寿司はもちろんおいしいのですが、「穴子の白焼き」、「中トロのねぎま串」は絶品でした。

思い返せば去年の春ぐらいからでしょうか、親父の口から、「そろそろ店たたもうかな・・・」といった弱気発言が出始めていました。最初のうちは冗談と高をくくっていたいたのですが、その発言が何度か繰り返されるたびに、いつしか私たちの心のなかでも、それが現実味を帯びるようになってきました。そして、去年の12月28日金曜日とうとう「今年いっぱいで店閉めます」と言われてしまいました。

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