第54話「Monclerのダウンジャケット」
20、21年前になっちゃうんですね。高校1年のときクラスメートにお洒落なT君がいて、Monclerのダウンジャケットを着ていました。当時でも4、5万くらいしたのではないでしょうか?服にほとんど興味はなかったのに、なぜかとても欲しくなり、それが買えなくて、とてもうらやましく思った記憶があります。
先日、その20年前には流行ったダウンジャケットを、某中堅アパレルのお偉いさんが着ていました。その件でお話をお伺いすると、アパレル業界で言われている、18年周期の仕掛けによるものなのか、たまたまなのか分かりませんでしたが、ここ2、3年某社のドル箱商品だったことは確かなようでした。
振り返ってみると、服にほとんど興味がなかった自分が、こういう形で現在、結構アパレル業界のコアな部分に携わっているということが、とても不思議な気がします。もしかしたら、20年前ダウンジャケットを着ていたT君と出合ったときに?あるいはその前から?自分の運命が決まっていたような気さえします。
T君とはあまり仲が良いほうではなかったので、卒業当時は思わなかったのですが、高校時代に一番影響を受けたのは実はT君なんじゃないかと(今回のダウンの件とは関係なく)年々思うようになってきていました。野球ばかりやってた土建屋の息子と、お洒落な一流商事会社の息子、水と油の二人だったのですが、10クラスあった高校3年間で2年もクラスがいっしょでした。
私なりの解釈で、かっこよく言うと、不動産は「将来を生きるために・・・」
アパレル(服)は「今を生きるために・・・」という感じがします。ある意味、相反する業界ですが、この仕事をすることによって、二つともよい人生を全うするためにははずせない大事なモノだと感じています。Tくーん今なにやってんの?(まさか土建屋関係の仕事してないよね・・笑)これ見てたら20年ぶりに会おうよ。(見てる訳ねーだろ!)