第69話「DUMBO」
これはディズニーのキャラクターのことではなくて、マンハッタンからイーストリバーを渡ったブルックリンの川っぷちのニューヨーカー注目エリアの略称(Down Under the Manhattan Bridge Overpass)のことだそうです。
もともとこのエリアは何もなく、さびれた倉庫街だったそうなのですが、デビット・C・ウォレンタスという不動産ディベロッパーがこのエリアの不動産を買い占め、市をまきこんで、大幅な免税を受けながら20年かけて開発したとのことです。
さびれたエリアを活性化するためには、アート関連のテナント誘致が有効と考え、目をつけたアート集団に無料でスペースを提供したり、名称についても覚えやすい、親しみやすいブランド名「DUMBO」を名づけたりして話題性を高めていったそうです。
現在ではNYで最も注目されるこのエリアも、やはり当初は苦戦したようで、マンハッタンから離れることを極端に嫌うマンハッタン子を誘致するためには、前記の単なる話題性のみでなく、経済的な(マンハッタンの高い賃料を逃れ安い賃料のDUMBOに移る)要因もあったようです。
日本でも、このように信念をもって粘り強く開発を行うディベロッパー(不動産業者)がいなくちゃいけませんね。逆に、あまり人気のなかったエリアに勢いのあるテナントが根付くや否や賃料相場をドンドン上げまくる業者はいっぱいいらっしゃるようなのですが・・・
その結果、つまらない(斬新でない、利益至上の)テナントで埋め尽くされ、そのエリアが衰退していく・・・不動産業者も多々反省するとことはありますが、ビルオーナーも収益面のみにウエートを置くのではなく、「若い人にステージを与える」「そのエリアの将来象を考える」といったことにもっと配慮してほしいものです。
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