第73話「セリオ不動産リポート04.11」

著者
m.yoshida
2004/11/10
Facebook
Twitter
LINE

2004年も終盤になりました。不動産市況は賃貸、売買ともに、日本全国的に見たときは、決して上昇傾向ということはなく、むしろ、いまだに下落または平行線といった感じなのでしょうが、渋谷区、港区に関してはまさに勝ち組といった表現が的確で、いまだに上昇しています。さらにいってしまうと、現在はバブル(賃料、地価ともに暴落寸前)といっても過言ではない状態だと思います。

その勝ち組みエリアの中心地は246をはさんで渋谷区と港区に分かれている、表参道と考えていいと思います。ちょうど昨年の今ごろ、表参道の地価の上昇が新聞でも大きく取り上げられました。ルイヴィトン、プラダ等々が高額な不動産を取得してまで出店したことが、このエリアの不動産の価格(賃料、地価とも)を押し上げた発端だったと思います。

さらに低金利を背景にして、その後、外資をはじめとした、不動産の証券化(リート)に大量の資金が流れたことにより、不動産の売買が活性化され、人気エリアの地価はさらに押し上げられました。ちなみに現在このエリアで物件を取得することは非常に困難で、通常投資会社が7~8%以上で利回り物件を取得するところ、表参道近辺の場合3~4%でないと取得できないといった、ありえない状況のようです。

景気が回復したという報道が昨今かなりなされていますが、私の仕事の範疇の感覚としてはごく一部のお店を除いては、売上が横ばいないし減少しているところが多数派という感じです。表参道に面している超一等地の店舗に空きは出ませんが、その一本裏は、今まで空いてもすぐ埋まっていた店舗に簡単にはテナントが着かない軟調な状況になっています。(一本裏でも賃料が上昇しすぎてしまって採算が合わない=出店する企業がない)

ビルの賃料収入は店舗部分よりオフィス部分の方が大きいから、店舗の売上(賃料)が減少したからといって、それによってすぐさま、利回りが下がり、地価が下落するということにはならないだろう・・・とお考えになる方もいらっしゃるかもしれませんが、現在のこのエリアの店舗部分の高額な坪単価×地下~3F部分までお店にしている実態を考えると、このままアパレル業界の業績の不振が続けば、勝ち組エリアのバブルの崩壊(賃料、地価の下落)に繋がるのは時間の問題だと思います。

最近の記事

渋谷区をメインに不動産の仲介、コンサルティング、シェアオフィス・コワーキングスペースの企画・運営を行なっております。お気軽にご相談ください。コラムはこちら。

お問い合わせ »

  • 株式会社セリオ
  • 東京都知事(7)第72260号
  • 〒151-0053
  • 東京都渋谷区代々木2-30-4
  • TEL: 03-3379-9801
  • FAX: 03-3379-9802
  • YCS - 南新宿徒歩1分のコワーキングスペース(シェアオフィス)
    OFFICE COURT - 代々木駅徒歩4分のスモールオフィス