第79話「わたなべ君」
坊や~♪良い子だ金だしな・・・(っていうのは栗貫さんのギャグでしたね)
(この後はお手数ですが、日本昔話、市原悦子バージョンにてお読みください 笑)
30年以上前ことじゃった、代々木に5歳になる、よしだという男の子が暮らしていたそうな。近所に同い年のわたなべ君という男の子が住んでいて、まるで兄弟のように毎日楽しく遊んでおった。
よしだという男の子は、やんちゃで、わがままで、手がつけられなかったが、運動神経だけはよかったそうな・・・その後そのいたずらっ子は変わった不動産屋を立ち上げたと聞いております。一方、仲よしのわたなべ君は、大人しくて、たいそう頭がよく、のちに東大に行ったと風の便りに聞いております。
ある日のことじゃった、よしだはブロック塀から飛び降りて遊んでおったが、わたなべ君は飛び降りることができんかった。人の気持ちが理解できなかったよしだはわたなべ君ともっと仲良くなりたかったので、何度も何度もわたなべ君に飛び降りることを勧めたそうな。何度も勧めるうちにわたなべ君は泣き出して帰ってしもうた、その後わたなべ君は二度とよしだに会おうとしなかったそうな・・・
時は流れて、35年経った今も、よしだは頑固にブロック塀を不動産に変えて、同じようなことを繰り返しておる。でも、昔と一つだけ違うのは、本当にブロック塀を飛び降りたい人を選んで、その人のことを泣かせるようなことは決してしなくなったそうな。
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