第8話「スケルトン」

著者
m.yoshida
1999/06/10
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何年前からでしょうか?この言葉を一般の人からもよく聞くようになりました。 私たちの業界では以前からけっこう重宝している業界用語なのです。 ご存知のとおり本来は「骨」「骨格」といった意味ですが、若い子たちは 本来の意味から転じて、「透明」という意味で認識しているのでは?

彼らも多用しているこの言葉が何か時代のキーワードのように私は感じます。 壁がコンクリートの打ちっぱなしだったり、天井に配管やエアコンがむき 出しだったりするお店の内装が最近では当たり前になってきましたよね。 あれが私たちの言うところの「スケルトン」です。この状態を見ると、内装って 「肉付け」なんだなとつくずく感じます。

スケルトンの内装が増えたのは、世の中の流れと非常に似たものがあるのではないでしょうか。付きすぎてしまった贅肉(厚い内装)を削ぎ落として、骨(建物の躯体)だけにしてしまう。私には、「バブルの清算」と称されるさまざまな動きと似ているように思えてなりません。

今、若い子たちが「スケルトン」を好むのは、大人達の商業戦略によるものだけでなく、彼ら自身も本能的に時代の匂いを嗅ぎ取っているためではないでしょうか。今まで頑として崩れることのなかった価値観がぐずぐずになりだし、慌てている大人達を目の当たりにして、彼らは「骨・中身・本質」を見たいとか、確かめたいのでは・・・(オイオイ調子に乗って飛躍しすぎじゃないか?お前は心理学者か!不動産屋だろ。と一人ボケ突っ込みしたところで今回は失礼します。)

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