第88話「株」
一連のライブドアの報道を見ていると
まさに、「勝てば官軍、負ければ・・・」っていう感じがします。チョット前まであんなにもてはやされていた人が、あっという間に落とされるんですね。「株」?「日本人」?「マスコミ」?って恐いわ。
零細経営者のヒガミなのかもしれませんが、「株」ってホントよく分からないし、上場するということが、果たして経営者や、従業員、顧客にとって、本当にいいことなのかどうか疑問に思います。少なくとも自分の場合は株(他社の株ですが・・・笑)のことを考える時間があったら、仕事、お客さんのことを考えろと言聞かせています。
知り合いの方を通じて、上場前の時点から某経営者とお付き合いをする機会がありました。上場前は絵に描いたような熱血経営者という感じで、ゴルフをしながら会社のビジョンをお伺いしていると、一緒にいてすごくいい刺激をもらえるような楽しい方でした。しかし、上場した後、そのオーラは消え、自社の株価維持に腐心している、冷めた経営者に変わってしまったような気がします。本来は、本業の業績があがり、それに伴って株価が上がるというのが正常な動きのはずですが、これだけ世の中の流れが早く、それを更に先取りして株価が推移する訳なので、経営者本人でさえも、訳がわからなくなるというのが、本音のところなんじゃないんでしょうか。
スゴロク(若い人分からないのかなぁ)のように上場すれば、とりあえず「あがりっ!」という感覚の経営者が、今の日本には多いような気がします。上場がうまくいけば、会社にも経営者にも数百億、数十億のお金が入ります。そのお金を、会社を設立したときに、抱いていた信念の延長線からあまり逸脱しないこととか、そうでなければ、内輪のごく少数の人ではなく、多くの人が幸せになることに使って欲しいと、これから上場される経営者の方に切望します。