第9話「借りたら勝ち? 貸したら負け?」

著者
m.yoshida
1999/07/11
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部屋を借りた場合、契約書の中に「契約期間」とい条項があると思います。言葉の意味からすると「本来この契約期間が終了したら、すべてが終了する。」このように解釈すべきだと思うのですが、現在の日本の法律に則ったとき、賃借人が望めば賃貸人は嫌でも賃借人との契約を継続しなければならないのです。

なぜ賃貸人は契約期間が終了しても、賃借人を追い出せないか?借地借家法の中では、「賃借人を立ち退かせるには正当事由が必要」ということが定められています。この正当事由というのが曲者で、「賃貸人が自ら居住の用に供する」この場合のみ正当事由が適用になるようです。「あなたの大家さんがあなたの借りている所しか住む所がない」こんなこと滅多にないですよね。また更に追い討ちをかけるように民法のなかでもこんな事が定められています。「賃借人に一方的に不利な契約条項は無効とする。」

賃借人は守られている。よかったよかった。全国ん千万の賃借人の皆様、ちょっと待って下さい、ここで発想を転換して賃貸人(大家)の立場になって考えてみて下さい。このような法律の下であなたの賃貸物件を適正価格(あのコマーシャル腹たつな)で貸せますか?あなたは手を変え品を変え、大家同士、不動産屋とも手をつないで対抗手段を講じるのではないでしょうか。賃料、敷金、保証金、更新料、償却。たとえ賃借人が善良な「小市民ケーンのような人」だったとしてもあなたはリスクを回避するために自分が適正と考える金額より余分にお金を取ろうと思うのではないでしょうか?

「定期借家法」が現在立法化に向け審議中です。正当事由がなくても、契約期間が満了したら賃借人を立ち退かせることができる法律が近い将来成立することと思います。それによって賃料等は下がると思いますが、今までのように一律の契約ではなくなり、法律(国)が守ってくれる部分が少なくなります。今後、不動産の分野でも自己責任という言葉がしつこく使われるようにになると思います。

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