第139話「700円ショップ」
友人?お客様?の中間といった感じの距離感でお付き合いさせていただいている、Aさんが裏原宿で経営している「700円ショップ」が受けているらしい。数ヶ月前に話を聞いとき、正直、ピンとこなかった。100円ショップだと品物が限られるが、700円だと雑貨、服、古着等々結構オシャレな物で品揃えができるとのこと。
ご他聞にもれず、裏原宿の売上も相当落ち込んでいる。ピーク時の賃料と比べると現在の相場は2分の1から3分の1といった感じだろう。人通り、客単価、どの尺度からみても以前とは比べ物にならないほど衰退している。
昨日その700円ショップを覗いてみた。月曜の15:00くらいだったので、溢れんばかりとまでは言えないが、店内はほぼ人で埋まっていた。両隣の店を覗いてみると1軒は客数ゼロ、もう1軒は1人。この状況からもこの店の健闘ぶりがうかがえる。その時の客層は20歳前後の女の子が中心といったところか。携帯を頼りにこの店に来る目的客らしき若者もいた。
自分なりになぜこの店が受けているのか考えてみた。あくせく仕事をすることが美徳でない、消費意欲の薄い現在の若者からすると、無理して買った高価な時計はダサク(イケテナク)、700円のナウイ(カワイイ)時計をしている方がイケテイルということなのだろう。無理して700円の時計を一つ買ってみた(笑)。
そうか!それで若い女の子にフグや、フレンチを食べに行こうと誘っても、敬遠されるのか(オッとこれは別の理由か 笑) 冗談はさておき、バブル期に培われた自分たちの価値観は今の若者のそれとは真逆に近いものなのかもしれない。
「渋谷区がメインで、アパレルさんがお客様の仕事をしてますから・・・若者のトレンドは多少は分かりますよ・・・」などと偉そうなことは金輪際言ってはいけないということを明確に思い知らされた一日なのでした。