第35話「デビット・カッパーフィールド」

著者
m.yoshida
2001/09/07
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先日、知人の誘いでD.Cのマジック?ショー?を始めてみてきました。大体何をするのかをいうことは、事前に多少の知識はあったので、D.Cさんには失礼な話ですが、あまり期待していない映画を見に行くような感覚で、明るいうちから、Barで2、3杯ひっかけてから会場に入りました。

会場は、初めて中に入る東京国際フォーラム(バブル時期に建てられた東京都の所有物)で、酔いも手伝ってか、「こんなモン建てた責任者出て来い!赤字はどないすんねん!」などと、オヤジ悪酔い状態になりつつあったのですが、広くて立派な会場を、舞台のみならず客席まで、彼が笑顔び回っている姿にいつのまにかくぎ付けになっていました。

内容的にはご存知のとおり、人やモノが消えたり、出現したりといった、ありえない事が目の前で起きる(D.Cさんはイリュージョンと言っている)、評判どおり?評判以上?のモノなのですが、不覚にも私は涙ぐんでいました。さっきまで、悪酔いオヤジしてたのを考えると、非常に恥ずかしいものがありました。

帰る道すがら、なんでこんなに感動したんだろう?とお得意の自己分析にふけりました。最初は、私も他の観客の方と同様?「あの箱のどこかに穴があいているハズで・・・」などと考えていたと思うのですが、途中からそんなことはどうでもよくなって、この一瞬のために、彼らは、どれだけの準備・訓練をしてきたのだろう?そんな苦労は当然微塵も見せずに、観客を楽しませるD.Cさんの魅力的な笑顔でより感動を受けたのだと思います。

さらに言うと、図々しい私は、ミスが絶対ないようにと精魂傾けてやっと扱ぎつけた不動産の契約の場を、D.Cさんのショーの本番に投影していたのです。最近流行の歌に「オレを信じなさぁーい」といった一説がありますが、契約のときの自分の感覚もその程度のレベルだったような気がします。客に疑われ様がなんだろうが、それまでの苦労など顔に出さず、自分の仕事をキッチリやって笑顔で契約(ショー)を終える・・・「これがプロの仕事だぜ!」もちろん一言もD.Cさんとはお話ししてませんが、そんなことを言われたような気がしました。

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